このページは、
- 自筆証書遺言
- 秘密証書遺言
- 公正証書遺言
という3つの方式の中から、「公正証書遺言をおすすめします」という視点から記述してみたいと思います。
遺言の方式・自筆証書遺言
内容の全文、日付・氏名を自署し、印を押します。
要件を1つでも欠くと、すべてが無効になります。
自筆証書遺言のデメリット
遺言書の第一発見者が封を開け、自分に不利なことが書いてあるのを見つけてしまったら・・・。
例えば、兄貴にはたくさんあげると書いてあるけど、弟の自分はなにももらえない。
こんなとき、第一発見者である弟はどうするでしょうか?
見つけた遺言書を隠してしまうかもしれません。燃やしてしまうかもしれません。
もちろん、こんなことをしてはいけません。
民法という法律にもちゃんと規定されています。
民法第891条
次に掲げる者は、相続人となることができない。
第5号
相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者
このように相続人になることができなくなることを「相続欠格」といいます。
確かに、隠したり燃やしたりしてはいけませんが、もし、弟が隠したり燃やしたりしてしまったとして、どうやってそれを証明するのでしょうか?
弟以外の誰一人として、遺言書の存在自体を知らなかったとしたら・・・。
「いっせんまんえん」を「一千万円」と書いてしまうと・・・。
「三千万円」「七千万円」など、容易に画数を書き加えて増額できてしまいます。改ざんを見破るのはなかなか難しいようです。
「壱千万円」と書くように気をつけましょう。
そもそも見つけてもらえなかったら・・・。
せっかく書いた遺言書が、たとえ法律的には要件を満たしていたとしても、見つけてもらえなければ、効力が生じることはありません。
遺言の方式・秘密証書遺言
遺言書に署名・押印します。次に、封をして押印します。
公証人と2人の証人の前で、
- 自分の遺言書であること
- 氏名
- 住所
を述べます。
公証人が、封筒に提出した日付、遺言書の申述を記載して、遺言者・証人とともに署名押印します。
秘密証書遺言のデメリット
秘密証書遺言には何が書いてあるのかを知っているのは、遺言者ただ1人です。
これは、秘密証書遺言の最大のメリットであるといえるでしょう。
しかし、これは両刃の剣で、遺言書の内容が法的に有効なものであるのかどうか、開けてみるまで分からないという側面があります。
公証人も封筒の中を読んでいませんから、内容が法的に有効であることを認証してくれたわけではないのです。
遺言の方式・公正証書遺言
公正証書遺言のデメリット
リーズナブルですが有料です。
情報が洩れる心配はいりませんが、公証人と2人の証人には遺言の内容を知られてしまいます。
今日思い立ったから今日つくりたい、というわけにはいきません。遺言者自身のほかに公証人と2人の証人、総勢4人のスケジュールを合わせなければならないからです。